多摩森林科学園 サクラ保存林の桜を見た!アクセス・開花情報・見どころをご紹介

森林総合研究所 町さんぽ

多摩森林科学園の桜を見に行きました。都立高尾陣馬自然公園の中に位置する施設には、全国の主要なサクラが植樹された「サクラ保存林」があり、500系統、約1,800本のサクラを見ることができます。桜の種類が多いため、長い期間お花見を楽しむことができます。研究機関だけあって、一つ一つの桜に丁寧な説明がついているのも嬉しいポイントです。丘陵にある園内は景色も最高です。

この記事では、森林総合研究所 多摩森林科学園の桜について
・見頃時期
・アクセス
・見どころ
などについてまとめました。

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多摩森林科学園の桜 見頃時期・開花情報

多摩森林科学園では、3月から4月までの長い間、多種類の桜が入れ替わで花を咲かせます。
同施設のホームページ「サクラ保存林開花情報」には、サクラ保存林にある主なサクラ74本の開花状況が、平均開花日順に示されています。桜の花についての研究を行っている施設だけあって、過去の開花情報も記録して公開しています。お出かけ前に必ずチエックしたい情報です。

2025年4月17日現在の開花状況を見ると「虎の尾」「普賢象」「松月」、掲載された74本のうち21本が満開でした。

私は、2025年4月18日に訪問、満開の桜が何本もあって、美しい桜を満喫しました。

多摩森林科学園へのアクセス

多摩森林科学園へのアクセス方法は次のようになります。

JR高尾駅北口 ・京王線高尾駅から徒歩10分

高尾駅からのアクセス

私が撮った写真で、高尾駅から 多摩森林科学園までのルートをご案内します。

2025年4月18日午前中に高尾駅・北口で降りました。高尾駅は南口に商業施設がありますが、北口は静かです。

駅舎の屋根が和風で立派!

駅の建物に入っている「一言堂(いちげんどう)」でランチを食べてから出かけることにします。
こちらのお店、パンなどを買ってテイウアウトすることができます。パンと並んでおはぎがあったり、高尾の名産品も変えたり、買い物が楽しい店です。

私は角煮のはいったカレーを注文。お肉はやわらかくてしっかり厚みがある。カレーはさらっとして食べやすいものでした。
窓に面したカウンター席もあって、ひとりごはんも快適な店でした。

多摩森林科学園へは、駅前の「高尾街道」を直進します。

道は上り坂になります。道路沿いにも桜の木が植えられていました。

珍しい桜もありました。こちらは大村桜です。

御衣黄(ギョイコウ)にありました。緑色で花の中心が赤くなっていました。人気の桜ですね。

歩道に「廿里古戦場」の看板がありました。1569年に、武田信玄の武将小山田信茂と滝山城主北条氏が戦を行ったところです。

「廿里」はどう読むのでしょう?調べてみました。
「高尾通信」の記事を読むと「高尾駅の北、多摩御陵、農林水産省農林技術総合研究所の十十里の古戦場ある一帯が廿里(とどり)」とあります。

この地名の由来には(1)京都から百里あるので十十里で廿里、(2)京都の高雄山に対する砥取(とどり)の地名が高尾山に持ち込まれた、の二つの説があるそうです。珍しい地名です。

だいぶ上ってきました。マンションあり、山ありの中に、高尾駅からの電車が走っていきます。

多摩森林科学園の門がありました。目指す「サクラ保存林」はここではありません。もう少し歩いていきます。

多摩森林学園に着きました!
途中ゆるい坂道がありましたが、珍しい桜を見ながら楽しく歩くことができました。

多摩森林科学園の桜の見どころ

多摩森林科学園の桜を私が撮影した写真でご案内します

門の横にも気になる桜が。「梅護寺数珠掛桜(ばいごじじゅずかけざくら)」は、開花しはじめたばかり。最も遅い時期に咲くサクラの一つです。

近くで見ると、本当に数珠のようでした。

森の科学館

この写真の正面に見えているのが「森の科学館」です。
多摩の森の動植物や、森林や林業についての展示が充実しています。
サクラ保存林にある桜の品種についての知識も得られるので、最初に立ち寄ることをおすすめします。

樹木園

第2樹木園を通って、サクラ保存林に向かいます。

林の中に歩きやすい遊歩道が何本か通っています。平日の昼ごろに訪問しましたが、何組かのグループが歩いていました。林の中ですので、ある程度人通りがある方が安心して歩くことができます。ちょうど安心して快適に歩くことができるくらいの混み具合でした。

「佐野の普賢象(フゲンゾウ)」の看板がある木。京都の「佐野園」から導入された桜だと書かれていました。このように、どこから来た桜なのかがわかるのが、この施設の楽しいところです。

サクラ保存林

ゆるいアップダウンがある道を300mほど歩くと、サクラ保存林に着きました。
この地図のうちの一部(里桜園)などは、補修のため現在入れないところもあります。

ここで、「サクラ保存林」の概略について、施設が配布しているパンフレットからご紹介します。

・昭和41年に、各地のサクラの遺伝子を保存するために「サクラ保存林」の設置が決まった。
・8ヘクタールの面積に、日本全国の主要な栽培品種、名木、天然記念物などの接ぎ木クローンが、約500栽培ライン、約1800本が植えられている。
・江戸時代からの栽培品種のうち伝えられているのはごく一部。伝統品種を収集、保存し、性格な識別・分類や系統に関する研究が進められている。
・サクラの開花期について、30年以上観測して記録を蓄積している。

また、森の科学館の展示では、サクラ保存林では、次の場所からのサクラを集めたようです。

・東京都 新宿御苑
・北海道 松前町 桜見本園
・京都府 府立植物園 佐野藤右衛門
・静岡県 国立遺伝学研究所
・埼玉県 安行見本園
・茨城県 日本花の会
・石川県 林業試験場

サクラ保存林を水の流れに沿って歩きます。左右に桜の木が植えられている丘があって、桜の花びらが風で大量に舞っていて、なかなか見られない景色でした。

しっかり舗装された「昭和新道」の坂道を上ります。かなりくねくねした道です。
両側には、看板が掛けられた桜の木が次々と出てきます。

このあたり、北海道の松前から来た桜も多くありました。

見晴らし台がありました。あずまやもあって、絶景を見ながら一休みできます。

斜面にみごとに咲いている桜には「八柱の汐登」の看板がありました。見晴台から「関山ベンチ」までは高い場所を通るので、眺めがとてもよかったです。

関山ベンチに着きました。遊歩道の突き当り、いくつかの道が分岐しているところにあります。想いが得ないほどたくさんのベンチが斜面に並べられていて、お天気が良ければここでお弁当を食べるのもよさそうです。

「見返り通り」を歩きます。ゆるい傾斜のある遊歩道を歩いて行くと、ここにも見ごたえある桜の木がたくさん。

こちらは「京都の糸括(イトククリ)」。京都府立植物園から1967年に導入と書かれています。種類は「サトザクラ’江戸’」。京都から来たけれど、種類は「江戸」。なかなか複雑です。

「鹿に会った時」の注意看板です。
「深呼吸して、落ち着いて、ゆっくり歩いて立ち去ります」と書いてありました。
「手を振りながら、あっちへ行け、と叫びます。それでも立ち去らない場合は、あなたがゆっくり立ち去ります」

園内には「猿」「イノシシ」の注意看板もありましたが、「あっちへ行け」と言っていいのはシカに対してのみのようです。

遊歩道「仲通り」を通って、出口に向かいます。この道は、最初に通った「昭和新道」よりは低い場所を通っていますが、こちらも眺めは素晴らしい。

「太白(タイハク)」はサクラの中で最大級の3センチほどの花弁を持つ花。看板には、「江戸時代から栽培されていたもの。英国の園芸課が日本から入手してたのを、1932年に日本に送られ、鷹司信輔侯爵によって命名された」とあります。複雑すぎる歴史にびっくり。

この日満開だったのは「福禄寿」。何本か咲いていました。

緑色の花が咲いているのは、「結城のウコン」。

遊歩道はこんな感じです。保存林のどこを歩いても、歩きやすい道でした。もちろん、スニーカーのような歩きやすい靴は必須です。

「センリコウ」も白くて大きな花びらが印象的でした。
サクラ保存林の出口付近で、「夫婦坂」を階段で降りました。

最後に見ごたえがあったのが「松月」。満開でした。

多摩森林科学園の歴史・概要

多摩森林学園のホームページに歴史や概要が紹介されていました。

・1921年に宮内省帝室林野管理局林業試験場として発足した。

・御料林の経営に関わる試験・研究を行った。

・1945年の八王子大空襲により、庁舎や実験室の大部分を消失。

・「分室」、「実験林」と名称は変わり、1988年に「摩森林科学園」となった。1992年に一般公開を開始。

・現在は「国立研究開発法人森林研究・整備機構森林総合研究所」の支所の一つとして、都市近郊林が有する多面的機能を発揮させるための管理・利用技術の開発や、動植物の多様性保全・生態系の役割解明、サクラの遺伝資源に関する研究を行う。

・森林・林業・木材産業についての普及・広報活動を行うとともに、園内の樹木園・試験林・サクラ保存林などを活用して、研究資料の提供や研鑽の場としての役割を果たす。

・園内の森林は、江戸時代には幕府直轄地であり、明治以降には御料林として公的に管理・保護されてきたため、この地方に潜在的にあったモミやスダジイなどの常緑樹が多く見られる。

多摩森林科学園 サクラ保存林 まとめ

多摩森林科学園の桜を見に行きました。都立高尾陣馬自然公園の中に位置する施設には、全国の主要なサクラが植樹された「サクラ保存林」があり、500系統、約1,800本のサクラを見ることができます。桜の種類が多いため、長い期間お花見を楽しむことができます。研究機関だけあって、一つ一つの桜に丁寧な説明がついているのも嬉しいポイントです。丘陵にある園内は景色も最高です。

多摩森林科学園のサクラ保存林、おすすめです!

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