外国人居留地があった横浜山手エリアには、一般公開されている西洋館が8館あります。居留地の面影を残す町で、緑豊かな公園の中にある洋館をめぐるのは最高の散歩コース!特に、西洋館が各国のクリスマスの装飾で飾られる12月は、おすすめの季節です。
私はこれまで何回か、横浜山手エリアを歩いています。丘の上にあるエリアなので、坂道をどこで上がるのかは思案のしどころで、いろいろなルートを試しています。2024年12月には、スイスのクリスマス装飾が美しい「ブラフ18番館」と「イタリア山庭園」を訪問しました。
この記事では、横浜山手エリアにある「ブラフ18番館」・「イタリア山庭園」への
・アクセス
・見どころ
・周辺のおすすめスポット
を紹介します。
ブラフ18番館・イタリア山へのアクセス
下の2つが、主なアクセス方法になります。
・JR京浜東北線・根岸線「石川町駅」から徒歩5分
・みなとみらい線「元町・中華街駅」から徒歩20~30分
石川町駅からのアクセス
私の撮った写真で石川町駅からのアクセスをご案内します
石川町駅の「元町口」を出ると、「ひらがな商店街」と街灯に書かれた商店街になっています。
ちなみに、「ひらがな商店街」の名前は、「子どもたちでも読めるように」と前会長さんが名付けたそうです。(はまれぽ.comのサイトより)
少し歩くと「石川町駅前郵便局」があるので、その手前を右折します。目の前に「大丸谷坂(おおまるだにざか」が見えてくるので、上ります。
「大丸谷坂」も珍しい名前ですが、市政施行当時,町名として「大丸谷」という名前があったことにちなんだ名前のようです。明治時代はじめには、横浜の港に着く船員相手の歓楽街として繁栄した時期があったそうです。
少しきつめの坂ですが、長くはありません。すぐにブラフ18番館の門が見えてきます。「ブラフ」は、「断崖・絶壁」という意味です。山手が「切り立った崖」であることから居留外国人からは「ブラフ」と呼ばれていました。
元町・中華街駅からのアクセス
みなとみらい線「元町・中華街」駅からのルートの素晴らしい点は、「元町・中華街」のエレベーターで山手の丘の上に出られることです。
「アメリカ山公園」から、「山手本通り」を通って、他の洋館も散策しつつ、「ブラフ18番館」まで歩くことができます。
しかし、私の経験だと、他の洋館も見どころが多いので、「ブラフ18番館」に着くまでに、時間も体力もだいぶ使ってしまい、行きつけないおそれがあります・・・
坂を上らなくて済むのはすごく楽!他の洋館が気になりすぎて「ブラフ18番館」「イタリア庭園」までたどり着けないのが困ったところです。
ブラフ18番館・イタリア山庭園の見どころ(クリスマスシーズン)
ブラフ18番館
ブラフ18番館の外観です。大正時代にオーストラリアの貿易商バウデン氏の住宅として建てられました。その後、カトリック山手教会の司祭館として使用され、平成5年に現在の位置に移築・復元されました。
白い壁にフランス瓦の屋根の洋風住宅です。ベイウィンドウ、上げ下げ窓と鎧戸なども見どころです。館内には、大正末期から昭和初期の横浜家具が置かれ、当時の外国人の暮らしを感じる場所となっています。
玄関から建物の中に入ります。スリッパにはきかえます。
月曜日の朝9時半に訪問しましたが、先客が10人以上。見て回るには問題ないですが、写真を撮ると他の方も映りこんでしまう程度に、混んでいました。
1階ダイニングルームです。
ベイウィンドウと上げ下げ窓のあるダイニングルーム。昭和初期に建築された西洋館バーナード邸の家具を展示し、震昭和初期に建築された西洋館バーナード邸の家具
同じく1階ダイニングルームです。スイスのクリスマスの装飾がされていました。
こちらは、サンルームの写真です。三方向にガラス窓があり、座り心地のよさそうな籐椅子が置かれていました。ここから、マリンタワーやベイブリッジを眺めることができます。
日本の紅葉と西洋風の室内のコラボレーションが素敵でした。私的には、西洋館を訪問して一番うらやましいのは、サンルームです。ここで一日過ごしたいな。
2階の寝室は、ブラフ18番館の見どころです。2015年にリニューアルした部分で、横浜市南区唐沢にあった唐沢26番館の家具が復元展示されています。
ベッドの上の紹介文には、こんな内容が書かれていました。
・寝台・ナイトテーブル・服箪笥は統一された個性的な意匠となっている。
・アールデコとロシアの構成主義をミックスしたような強いデザインで、寝台の直線的な構成と、エジプト風のレリーフが美しい。
・材料は「フィリピン・マホガニー」と呼ばれるラワン材で家具材としては珍しい。製造地は不明だが、材料の輸入業者がいた横浜ではないかと推測される。
解説がないと、「きれい~」って言って通り過ぎそうですが、確かに直線的なデザインのベッドでエジプトっぽい模様がありました。解説ありがたいです。
やや混んでいて写真撮影をしなかったのが、1階の「サロン」。100年前の松本ピアノ(国産のピアノ)が置かれていて、コンサートを開催しています。
山手イタリア山庭園
山手イタリア山庭園は、水や花壇を幾何学的に配した庭園です。明治13年~明治19年まで、この地にイタリア領事館があったことから、イタリア山と呼ばれています。
このカクカクした庭と水辺の景色は、ハッとするような美しさです。
上の写真は、5月に撮影した山手イタリア山公園です。季節によって、水や空の色が変わります。
眺望もよくて、みなとみらい地区やベイブリッジを見ることができます。
山手西洋館のクリスマス「世界のクリスマス2024 煌めく山手の丘物語」
「ブラフ18番館」で行われているクリスマス装飾は、「世界のクリスマス2024 煌めく山手の丘物語」の一環として行われています。
山手西洋館7館が、それぞれ異なる国のクリスマス装飾を行い、リース講座やコンサートなども催されます。
概要は、下の表のとおりになります。
開催日 | 12月1日(日)~25日(水) ※期間中休館日なし |
時間 | 9:30~17:00 ※金曜日、土曜日は18:00まで開館 |
会場 | ブラフ18番館、ベーリック・ホール、エリスマン邸、山手234番館、横浜市イギリス館、山手111番館、旧山手68番館 ※外交官の家は工事のため休館中 |
入館料 | 無料 |
開催館とテーマ国については、下表のとおりになります。
ブラフ18番館 | スイス連邦 |
ベーリック・ホール | フィンランド共和国 |
エリスマン邸 | ドイツ連邦共和国 |
山手234番館 | ブルガリア共和国 |
横浜市イギリス館 | 英国 |
山手111番館 | 南アフリカ共和国 |
旧山手68番館 | 大韓民国 |
ブラフ18番館のスイスのクリスマスが素敵でした。それぞれの西洋館が見ごたえ充分なので、近いエリアの西洋館を1~3個くらい選んで回るのがおすすめです。
ブラフ18番館・イタリア山庭園 周辺おすすめスポット
ブラフ18番館・イタリア山庭園付近は、居留地の雰囲気を残す、歴史あるスポットが点在しています。
2024年12月の散歩では、「山手本通り」を通って「元町公園」へ。元町公園内の階段を下りて、「元町通り」「山下公園」「赤レンガ倉庫」まで足を伸ばしました。
フェリス女学院
「山手本通り」を歩いていると、フェリス女学院がありました。少し離れたところに資料館もあって、フェリス女学院の歴史を知ることができました。赤い風車を作って発電していたことがあると知って、びっくり。
エリスマン邸
山手西洋館の1つ、「エリスマン邸」です。横浜の生糸商「シーベルヘグナー商会」支配人の私邸として、大正15年に建てられました。日本で近代建築の父呼ばれたレーモンドの設計です。緑色がなんともいえず素敵です。
元町公園 ブラフ80メモリアルテラス 山手80番館遺跡
元町公園には、「山手80番館遺跡」があります。外国人住宅の遺構で、関東大震災前に建てられたものとしては横浜で唯一残っているものだそうです。残っているのは煉瓦の土台だけですが、インパクトが大きい。私は前にも来たのですが、もう一度見たくなって立ち寄ってみました。「ブラフ80メモリアルテラス」として、見学できるように整備されてます。
説明文には、こんなことが。
・赤レンガの構造物は、マクガワン夫妻の住居となっていたところで、関東大震災前の建物。
・この一帯は、外国人居留地の中心地で、学校・病院・劇場・教会などの西洋建築が並んでおり、今もその面影を残している。
・遺跡は地下室部分を残すだけだが、浄化槽を備えていたこともわかり、華やかなくらしぶりがうかがえる。
本当に、豪邸であったことがわかるような、立派な煉瓦の廃墟でした。
その近くでは、山手80番館に使われていた「ジェラール瓦」も見ることができます。この瓦は、フランス人のジェラールが「ふらんす瓦」として、すぐ近くで生産していたと書かれています。
この写真に写るプールがあるところが、「水屋敷」とも「煉瓦屋敷」とも飛ばれた場所です。ジェラールは、豊富な湧き水を使って、煉瓦製造と、船舶給水業を営んでいたのだそう。
森の中のプールや煉瓦の遺跡は、何とも雰囲気のある一画でした。
横浜赤レンガ倉庫
私は、元町公園→元町ショッピングストリート→山下公園→赤レンガ倉庫まで歩きました。
元町公園から垢レンガ倉庫までは2キロくらいでしょうか?景色がいいので、天気のよい冬の日なら、どんどん歩けてしまいます。元町ショッッピングストリートのカフェでコーヒーをテイクアウトして、山下公園で飲みましたよ。
港の見える丘公園
今回私は元町公園の中に入ってしまいましたが、「山手本通り」を「港の見える丘公園」に向かって歩けば、他の西洋館を回ることができます。
「港の見える丘公園」は、港を見下ろす景色と、季節の花が咲く美しい庭を持つ庭園です。
ブラフ18番館とイタリア山庭園!山手西洋館クリスマスまとめ
この記事では、横浜山手エリアにある「ブラフ18番館」・「イタリア山庭園」へのアクセス、見どころ、周辺のおすすめスポットなどをご紹介しました。
外国人居留地があった横浜山手エリアには、一般公開されている西洋館が8館あります。居留地の面影が残る町での洋館めぐりは、最高の散歩コースです。特に、今回のようなクリスマスシーズンには、西洋館が各国のクリスマスの装飾で飾られていて、特別な光景を見ることができます。
横浜山手エリアにある「ブラフ18番館」・「イタリア山庭園」の散歩、おすすめです!