小金井公園付近の玉川上水沿いのヤマザクラ並木「名勝小金井桜」を見に行きました。
小金井で桜といえば、小金井公園を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか?
江戸時代に有名だったのは、玉川上水沿いのヤマザクラ並木の方。新田開発の一環として植えられたもので、江戸近郊一の桜の名所として浮世絵にも描かれる場所だったそうです。
ヤマザクラ並木では、住民と行政が協力して、若い木の植樹を行っています。古くからの大きな木と若い木が、どちらも白い清楚な花を咲かせていました。

この記事では、「名勝小金井桜」について
・アクセス
・見どころ
・歴史
などについてまとめました。
名勝小金井桜の見頃時期・開花情報
名勝小金井桜の見頃時期・開花情報については、小金井市生涯学習課がx(旧ツイッター)に投稿しています。
2025年 名勝小金井桜についての「x(旧ツイッター)投稿
・4/5 早咲きは見頃過ぎる。中咲きのヤマザクラの多くは開花。遅咲きタイプはつぼみ。
・3/28 早咲きタイプは開花が進み、週末は一部満開か。
・3/25 早咲きタイプが、ソメイヨシノと同じタイミングで開花宣言
さまざまなタイプの桜が植えられているので、長い間花を楽しめるようです。私が訪問した4月5日も、多くの木が花を咲かせていました。
名勝小金井桜 桜並木へのアクセス
名勝小金井桜 桜並木は、小金井橋を中心にした6キロの区間です。
中心となる小金井橋へのアクセスは次のようになります。
①JR「武蔵小金井駅」から小金井橋 徒歩19分(1.3km)
➁JR「武蔵小金井駅」から「小金井橋」 西武バスで3分
武蔵小金井駅からのアクセス

私は武蔵小金井駅から徒歩で向かいました。
私が撮った写真で「小金井橋」までのルートをご案内します。
※2025年3月撮影の写真を使用しています

武蔵小金井駅北口に出ました。小金井公園行きのバスは、駅前ロータリーから出ています。

小金井街道を北に進みます。

にぎやかな街道沿いに稲荷社がありました。「大松木之下の稲荷」とありました。

商店が少なくなり、緑の生垣が続きます。バス通りですが、緑豊かなので快適に歩いて行きます。

時々カフェがあります。このお店、外の椅子とテーブルが素敵です。

玉川上水の小金井橋に到着しました!行く手には小金井公園が見えています。
ありますが、小金井街道を直進するのでわかりやすいですね。
名勝小金井桜 ヤマザクラ並木の見どころ
私は2025年4月5日に訪問しました。快晴の土曜日です。

名勝小金井桜 ヤマザクラ並木の見どころを、私が撮った写真でご案内します

小金井橋から玉川上水の下流を見ると、白い花の咲いた並木が見えます。咲き方も木の大きさもまちまちです。その理由は、あとから段々わかってきます。

玉川上水沿いには遊歩道があって、ヤマザクラ並木の下を歩くことができます。

小金井街道を渡ると、「名称 小金井桜」の碑が立っていました。

看板には、「名称小金井桜」のくわしい説明もありました。
・小金井堤の桜は、1737年ごろ、幕府の命により川崎平右衛門が、吉野(奈良)や桜川(茨城)から種苗を取り寄せ、6キロにわたって植えたもの。
・これは、新田のにぎわい、桜の根が土手の崩壊を防ぐ、花びらが水の毒を消す、などの理由があった。
・1797年に、漢学者 大久保狭南が「武蔵野八景」の一つとして紹介すると、江戸からの花見客が増えた。文人の紀行文に取り上げられた他、初代歌川広重の「江戸近郊八景之内小金井橋夕照(せきしょう)」によって有名になった。
・1844年、将軍の世子(のちの将軍家定)の観桜を契機に、幕府の命により、近隣の村々による大規模な補植が行われた。
・1889年、甲武鉄道が開通すると、いっそう多くの花見客でにぎわうようになった。
・1924年に名勝に指定された。東京大学の三好学博士により、若葉の色、花の色、形の大きさ、早咲き、遅咲きなど、一本一本が異なるほど多様な天然変種があるヤマザクラの一大集積とであると評価された。名勝指定には、1913年に小平・小金井・保谷・武蔵野村の村長を中心とした官民一体の「小金井保存会」の保存活動が大きく寄与した。
・戦後、名勝小金井桜は、樹木の老化や都市化によって衰えたが、2003年から自治体・市民団たの協働により、吉野や桜川の系譜を受け継ぐヤマザクラの苗の補植がはじまり、再生が計られている。
一本一本が異なるほど多様な上に、新しい木の補植もしていることがわかりました。大きさも、花の時期も、葉の色もマチマチなわけです。「名称小金井桜の会」のホームページを見ると、ヤマザクラは自然交配で繁殖するので、このような多様さが出てくるようです。

上流に向かっても、ヤマザクラ並木が続いています。

白い花が満開の木には、「273」のプレートがついています。
再び「名称小金井桜の会」のホームページを見ると、小金井桜並木のヤマザクラには、1番から1112番の番号が付いていて、管理されています。
一方、平成22年以降、新しく補植されたヤマザクラにはs,n,kS,Knなどの番号が付いています。
273番は昔からある木だということがわかります。

陣屋橋の近くにも、満開のヤマザクラがありました。橋の上からカメラを構える人たちがたくさんいました。

陣屋橋から小金井橋へと戻ります。
勢いのない木や、切り株もありました。
一方、令和5年と書かれた若い木もあって、世代交代が進んでいることがわかります。

小金井橋の近くには「小金井橋」の歴史を記した看板がありました。玉川上水とともに架けられたらしい橋は、木⇒石⇒煉瓦と変遷したようです。レンガ橋は平成20年まであったそうです。
小金井公園の桜
2025年4月5日は、小金井公園のソメイヨシノも満開でした。たくさんの種類の桜に出会いました。
江戸たてもの園前~交番までの道

「江戸東京たてもの園」から五日市街道の交番に通じる道には、桜の並木がありました。

その中に「ヤマザクラ(平右衛門桜)」の看板がありました。
2017年に没後250年を記念して「名勝小金井桜#119」早咲きのヤマザクラの穂木を接木し育成した苗を呼称「平右衛門桜」としました。

この桜は、写真に納まらないほど立派です。

同じく「江戸たてもの園」に向かう道に看板が出ていたのが「嘉永桜」です。看板にはこんなことが。
葉も花もブラウンで統一された素敵な桜でした。
ヤマザクラ並木の大補植(嘉永2年 1849年)の際、参加した農家が記念のために自宅の庭に植えた碑文付きの古木があります。それを接ぎ木した桜を「嘉永桜」として命名し、この場所に植えて育ててきました。
桜の園

小金井公園の桜の園にやってきました。小金井公園西門付近には、ソメイヨシノが多く植えられています。
訪問したのは、2025年4月5日11時頃。桜満開の快晴の土曜日でした。
どんなに混んでいるかと心配していましたが、写真のように穏やかな花見風景でした。

桜の園の看板にはこんなことが書いてありました。
・昭和29年から、主にサトザクラを使いながら、整備をはかってきた。
・約5.8haに、20数種類、380本の桜が植えられている。
・自生種(山野に生えているバラ科、サクラ属、サクラ亜属のもの)、サトザクラ(自生種の枝変り、自然交配や人工交配により選抜、作出した園芸種)、イヌザクラ(ウワミズサクラ亜属)
・自生種には、「カンヒザクラ」「ヤマザクラ」「カスミザクラ」「オオシマザクラ」「マメサクラ」などがある。
・サトザクラには、「ソメイヨシノ」「関山(カンザン)」「普賢像(フゲンゾウ)」「一葉(イチヨウ)」などがある。

持ち帰りOKのパンフレット置き場がありました。
配布しているのは「小金井公園 桜の園マップ」。公園ボランティアの「小金井公園 桜守の会」発行です。桜の園の中の桜の種類と場所が描かれたマップを見てみます。
桜の種類が細かく書き込まれ、早咲き・中咲き・遅咲きのエリアが見分けやすくなっています。とても役に立つマップなので、入手することをおすすめします。

「小金井薄紅桜」の看板がありました。1988年に小金井公園小平口近くで発見されて命名されました。小金井の名がつく唯一の桜です。原木は枯れてしまいましたが、原木から接ぎ木で増やした木が、園内各所に育っています。
桜の園の中には、このような看板がある木が何本かあり、桜の博物館のようです。

桜の園の北側に、こんなに背の高い木がありました。

近づいてみると、「ヤマザクラ」のプレートがありました。このエリアはヤマザクラが多く植えられています。
たてもの園前広場

毎年お花見の会場になる「たてもの園前広場」のソメイヨシノは、落枝の影響で立入禁止になっていました。少し離れて花見をする人が目立ちました。

誰もいないソメイヨシノの大群、神秘的でした。
たてもの園前から五日市街道に向かうメインストリートは、シートを敷いての花見でおおにぎわいでした。
小金井公園付近のヤマザクラ並木 まとめ
小金井公園付近のヤマザクラ並木を見に行きました。
小金井で桜といえば、小金井公園を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか?
江戸時代に有名だったのは、玉川上水沿いのヤマザクラ並木の方。新田開発の一環として植えられたもので、江戸近郊一の桜の名所として浮世絵にも描かれる場所だったそうです。
ヤマザクラ並木では、住民と行政が協力して、若い木の植樹を行っています。古くからの大きな木と若い木が、どちらも白い清楚な花を咲かせていました。
小金井公園も長い期間に渡って、次々と桜の花が咲いていくお花見スポットです。居心地のいい広場は本当に広いので、今回のようなソメイヨシノ満開の土曜日でも。ゆっくり座ってお花見を楽しめます。
小金井公園のヤマザクラ並木、おすすめです!