旧古河庭園では、洋館の前に広がるバラ園で、よく手入れされた約100種200株のバラの花を楽しむことができます。庭園内の洋館や日本庭園も見ごたえがあります。

この記事では、旧古河庭園の春バラについて
・見頃時期
・アクセス
・見どころ
などについてまとめました。
旧古河庭園の春バラ 見頃時期・開花状況
旧古河庭園のエックス(旧ツイッター)では、開花状況を詳しく伝えています。
2025年度の投稿を見てみます。
2025年旧古河庭園のエックス(旧ツイッター)
2025.4/27
100種中9種類が開花
2025/4/29
100種中15種類の開花を確認
2025/4/29
100種中15種類の開花を確認
2025.5,5
64種の開花を確認しました。まもなく見ごろを迎えますが、膨らみかけの蕾が見られる今のバラ園も素敵です♪
2025.5.13
93種類のバラが開花。見頃が続いています。
2025.5.18
97種類のバラが開花。見頃が続いています。
2025.5.27
園内のバラは「一番花」の見ごろが過ぎましたが、まだまだカラフルなバラ園をご覧いただけます! 6月中旬には、「二番花」の見ごろを迎える予定です。引き続きお楽しみください♪
私は、2025年5月12日に訪問しました。見頃が始まったタイミングで、美しいバラを満喫しました。
次に2024年度の投稿を見てみます。
2024年旧古河庭園のエックス(旧ツイッター)
2024.4.25
まだ蕾が多い
2024.4.28
次々と開花
2024.5.1~5.12
見頃です
2024.5.17
今朝は約100種のうち97種が開花。いま咲いている #一番花 の見頃は一先ず今週末まで。#二番花 は6月上旬から中旬が見頃となりそうです
2024.5.30
今朝は約100種のうち64種が開花。遅咲きの #バラ がきれいに咲いています
2024.6.22
約100種のうち88種が開花🌹二番花の見頃の最盛期となりました
2024.6.26
「春のバラフェスティバル」もいよいよ明日で最終日.本日の #バラ は約100種のうち85種が開花し、まだたくさんの品種が見られます。
2024.7.6
バラ園では66種類のバラが開花
5月はじめから中旬が見頃でした。その後も遅咲きや二番花が咲き、6月いっぱい楽しめました。
最盛期の春バラを見るなら、旧古河庭園のエックス(旧ツイッター)のチエックがおすすめです!
旧古河庭園へのアクセス
旧古河庭園へのアクセスには、次の方法があります。
・駒込駅から徒歩12分(800m)
・西ヶ原駅から徒歩7分(550m)
・上中里駅から徒歩7分(500m)
・田端駅から徒歩19分(1.5km)
駒込駅から旧古河庭園

一番スタンダードなルートです。私が撮った写真でこのルートをご案内します。
駒込駅から、本郷通りを歩いて古河庭園に向かいます。

駒込駅のすぐそばに、デザインが美しい駒込橋がありました。
古河庭園を目指して、ゆるい下り坂になっている本郷通りを進みます。
本郷通りの左側は、飲食店が多く、パスタ、カレー、中華の店が揃っています。

霜降橋交差点の手前に、霜降橋商店街の看板がありました。
名前といい雰囲気といい気になる。昭和31年に発足した全長250メートルの商店街だそうです。
にぎわっていました。
霜降橋で交差するのは矢田川通り。矢田川が流れていた跡です。
『東京暗渠散歩』(本田創編集 2021年)によると、矢田川(下流は藍染川)の暗渠は、にぎやかな商店街になっているそう。上流の「染井銀座商店街」、この「霜降橋商店街」「田端銀座商店街」、ぐっと下流の谷中の「よみせ通り」と続きます。

本郷通りは、今度はゆるい登り坂になります。
左側に旧古河庭園が見えてきたところで、本郷通りは左に大きくカーブ。道に沿って歩くと、旧古河庭園の正門に着きます。

着きました。ゆるい坂道はありますが、本郷通りをまっすぐ歩けばいいのでわかりやすいです。
西ヶ原駅から旧古河庭園
※西ヶ原駅から旧古河庭園の写真は2024年10月に撮影しました
旧古河庭園から最も近いのが南北線・西ヶ原駅です。

本郷通りをまっすぐ2分歩けば、旧古河庭園に着きます!

本郷通りの反対側には、国立印刷局東京工場。紙幣・切手・旅券・郵便貯金通帳などの、国の印刷物を印刷しているところだそうです。

「榎本ハンバーグ研究所」がありました。人気のハンバーグレストランのようです。研究所っていう店名、惹かれます。

本郷通りの向こう側には「平塚神社」がありました。

旧古河庭園の手前には、「ココフルカフェ」。ケーキとサンドイッチで人気の店のよう。とてもにぎわっていました。二階で食べることができるみたい。

着きました!西ヶ原駅からの道のりは、平坦で見どころも多いです。
上中里駅から旧古河庭園
※上中里駅から旧古河庭園の写真は2024年10月に撮影しました

下中里駅はこじんまりとした駅舎でした。このあたりには、新幹線が見えるスポットもあるみたいです。

旧古河庭園までの道には、この長い坂道があってちょっと大変です。

坂道の途中からこの階段を使って平塚神社の境内に入ることもできます。

平塚神社に入ってしまえば、あとは参道を通って本郷通りに出ることができます。坂道が大丈夫な方におすすめのルートです。
旧古河庭園の春バラの見どころ

旧古河庭園の春バラの見どころを私が撮影した写真でご案内します。
※2025年5月12日と、2024年5月に撮影しました。

バラフェスティバルの会期中です。駒込駅から旧古河庭園に向かう道にも。バラ見物と思われる多くの方たちが。

平日でしたので、テントで出店しているお店はやや少なめ。グッズやスイーツなどが売られていました。

まずは洋館の前のバラを見に行きます。美しく咲き揃っています。
洋館は、昨年秋は修復中でした。今回は素敵な壁面を見せてくれています。

クリーム色とローズ色の珍しいバラは「アブラカタブラ」。アメリカから来たバラで魔法にかかったような姿のバラです。

こちらは「桃香」。「外側の花弁がローズピンクに染まり美しいグラデーションを見せます」とありました。京成バラ園芸が育てたバラのようです。
庭園を見下ろします。大にぎわいです!
洋館より少し低い場所に広がるバラ園に降りていきます。

カーディナルはバラの赤色の基準になっているそうです。

こちらは「ピース」

ブルーライト。1963年に日本で作られたようですよ。

「万葉」も京成バラ園。私はこの花が好きで、毎年写真に撮っています。


春バラの最盛期の晴れた平日だったこの日。園内はにぎわっていました。

洋館と満開のバラの花。人が多いとはいっても、ゆっくりバラを見たり写真を撮ったりできるくらいです。
最高のバラ日和でした。

最後にバラのジェラートを食べました!
旧古河庭園「春のバラフェスティバル」
旧古河庭園の「春のバラフェスティバル」は次の日程で行われます。
令和7年4月28日(金)~6月30日(金)
9時~17時(最終入園は16時30分)
春バラの早朝開園、春バラの音楽会、春バラの庭園ガイド、人気投票、売店の出店などが予定されています。
旧古河庭園の歴史
旧古河邸の「旧古河邸 蔵展示室」には、設計者であるジョサイア・コンドルについての展示があり、次のように書かれていました。
イギリス生まれのジョサイア・コンドルは、24歳の時に来日。工部省営繕局顧問・工部大学校(現在の東京大学工学部)の教授となりました。工部省営繕局顧問として、鹿鳴館や旧東京帝室博物館を設計しました。工部大学校教授としては、東京駅を設計した辰野金吾や、赤坂離宮を設計した片山東熊などを育てました。親身で優しい先生だったそうです。
一度本国に帰国したあと、再び来日して、民間建築家として活躍しました。三井・三菱など財閥関係者や、旧藩主などの邸宅を多く手がけました。地震の多い日本の風土を研究して設計された設計は、防火や耐震に優れ、現在も残っているものが多いです。旧岩崎家邸宅。旧島津家本堤(清泉女子大学本館)などです。
ジョサイア・コンドルは、日本の文化に深い関心があったそうです。生け花や日本庭園に親しみ、海外に紹介する本も出しています。日本画では、河鍋暁斎に弟子入りして親しく交流しました。お互いを描いた絵が飾られていました。
旧古河邸と洋風庭園は、ジョサイア・コンドル晩年の設計になります。日本文化を理解した方ならではの、和と洋が調和した設計となったようです。
薔薇は、ジョサイア・コンドルの祖国イングランドの国花で、自身も大変愛した花だったそうです。庭園にはバラが、邸内には多くのバラモチーフが使われています。
旧古河邸を建てたのは、古河財閥三代目当主の古河虎之助。最初は自邸として、のちには、迎賓館として利用されました。
2024年秋には外壁工事中でしたが、入口付近は姿を見せてくれていました。
外壁に新小松石を使った、イギリスコテージ風のデザインだそうです。
旧古河邸の内部は、写真撮影禁止です。
私は大食堂に設けられた喫茶で、季節限定のバラのケーキと、バラの紅茶をいただきました。
天井には、桃やいちじくなどの果物の装飾があります。オレンジのシェードの電灯は、アップダウンできるように設計されてそうです。
旧古河邸は、1階は洋風建築、2階は和風建築となっており、「洋と和の調和」を目指した設計がされています。
応接室は、壁紙や装飾にも薔薇がたくさん使われていて、乙女な感じの空間です。
撞球室には、ビリヤード台の脚を置くための大理石の土台が残っています。床に負担をかけないよう、この土台の下には、地面から煉瓦が積んであるらしいです。
日本庭園
旧古河邸の庭園は、斜面になっています。谷田川沿い斜面に作られた庭園です。
一番高い所に洋館、斜面に洋風庭園、低地に日本庭園が配されています。
洋風庭園から階段を降りていくと、風景が一変。一気に和の世界になります。

心字池と、石橋と灯篭。石橋に使っている一枚の石は、どこから持ってきたのでしょう?灯篭の存在感もすごい。
この庭園を設計したのは、高名な庭師、小川治兵衛(1860~1933年)です。「近代日本庭園の先駆者」「水と石の魔術師」と称される方です。
心字池は、「心」の草書体を形どって作られています。この庭園は、池泉回遊式庭園という形式を取っています。前に見えるのは、雪見型灯篭です。

看板には雪見灯篭の名前について、説明がありました。
水辺によく据えられ、その姿が水面に浮いて見える「浮見」と点灯時に灯が浮いてみえる「浮灯」が「雪見」に変化したとする見方がある。
雪見灯篭は、灯篭の種類の名前なんですね。

十五層塔や、泰平型灯篭など、いくつも灯篭がありました。

茶室が見えました。ここで、お茶の体験ができるみたい。

前回の訪問で見逃した「枯滝(かれたき)」。雪見灯籠の真後ろにありました。
新・美の巨人たちの旧古河庭園特集で、小川治兵衛は「枯滝を見ながら、大滝の水の音を聞く」ように設計したと言っていたので、大滝を探すと、池の反対側にあって、水音も聞えました。

大滝です。全然迫力のある写真が撮れていませんが・・

「崩石積」の看板。この積み方が美しいのですね。難しい。
崩石積(くずれいしづみ)
・京都で発生した伝統的な石を垂直に積む工法
・石と石がかみ合って、くずれそうでくずれない姿が美しいとされる。当庭園においても、七代目小川治兵衛の力作となっている。

日本庭園の階段を上がっていくと、素敵な建物がありました。
旧古河邸の小さいもののような。壁の石は、同じもののよう。
看板がないので不思議に思いながら眺めました。
あとで調べると、「東京都公園協会」のHPに「非公開の書庫」として、下のように紹介されていました。
・明治43年、古河邸が築地にあった時に建てられ、西ヶ原本邸を構える際に移築された。
・耐震性の観点から通常公開は不可能だが、職員のガイド等で年に数回公開。
・孔雀のステンドグラス等がある。
・設計者は葛西萬司。父親が鉱山の専門家で古河財閥と深い関係があった。また、辰野金吾の教え子でもある。(辰野金吾は、ジョサイア・コンドルの弟子)
旧古河庭園の春バラ
旧古河庭園では、洋館の前に広がるバラ園で、よく手入れされた約100種200株のバラの花を楽しむことができます。庭園内の洋館や日本庭園も見ごたえがあります。
旧古河庭園の春バラ、おすすめですよ!
こちらは「江戸の庚申」江戸時代からの旧家の庭で発見されたチャイナローズとありました。バラは発見されることもあるのですね。
下の2枚は、2024年春の5月の写真です。青い空の下のバラを撮影できています。